短編小説『安物』投稿
ところでキミたちは地下鉄おじさんって知ってるかな。
地下鉄が大好きなおじさんのことじゃないよ?
自宅→地下鉄→職場→地下鉄→自宅
そう、人生における貴重な時間を定期的に地下鉄で消費する、哀しい生き物さ。
地下鉄おじさんのほんのり酸っぱい香りは、少年時代の夢の残り香さ。ちょっと傷んでるけどね。
地下鉄おじさんにはたくさん種類がいるけれど、丸の内おじさんの哀しみはちょっと別格だね。
四谷駅付近に近づいて射し込む太陽で、彼らは光合成をする。そして一日分のエネルギーを充填するんだね。すごいね。
地下鉄おじさんの耳には遠い故郷の海鳴りが聴こえる。閉じた瞼には木々の木漏れ日が射す。むせ返るような夏の匂いを、必死で思い出そうとする。
そうだよ、僕は地下鉄おじさんで、キミたちのなかにもやっぱり、地下鉄おじさんはいるのさ。
アミーゴ!
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さて、表題の件です。
昔に書いた短編を、自己紹介代わりに投稿しました。
しっとりと、刺さるような、そんな作品と感じていただければ嬉しいです。
お楽しみいただけますように。
地下鉄が大好きなおじさんのことじゃないよ?
自宅→地下鉄→職場→地下鉄→自宅
そう、人生における貴重な時間を定期的に地下鉄で消費する、哀しい生き物さ。
地下鉄おじさんのほんのり酸っぱい香りは、少年時代の夢の残り香さ。ちょっと傷んでるけどね。
地下鉄おじさんにはたくさん種類がいるけれど、丸の内おじさんの哀しみはちょっと別格だね。
四谷駅付近に近づいて射し込む太陽で、彼らは光合成をする。そして一日分のエネルギーを充填するんだね。すごいね。
地下鉄おじさんの耳には遠い故郷の海鳴りが聴こえる。閉じた瞼には木々の木漏れ日が射す。むせ返るような夏の匂いを、必死で思い出そうとする。
そうだよ、僕は地下鉄おじさんで、キミたちのなかにもやっぱり、地下鉄おじさんはいるのさ。
アミーゴ!
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さて、表題の件です。
昔に書いた短編を、自己紹介代わりに投稿しました。
しっとりと、刺さるような、そんな作品と感じていただければ嬉しいです。
お楽しみいただけますように。
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登録日 2017.06.22 20:30
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