大森かおり

大森かおり

はじめまして! 大森かおりです。私は、とにかく児童文学が大好きです! みなさんに私の作品を楽しんでもらえるように、これから精一杯がんばりますので、応援していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

デニーの一日2

デニーの食べ方が汚いのは、そうやって食べても、両親に叱ってもらったことが、これまで一度だってないからだった。

かつて、デニーの両親は、デニーになんでも、好きなだけ買い与えてやったり、夕飯前であろうと、夜中であろうと、時間を問わずに、デニーが食べたいと思った時に、おいしいおいしい、砂糖のはいった甘い物を、たくさん食べさせたりしていた。

そういうわけで、デニーは、きれいな食べ方を、大人の誰からも教わってはいなかった。

そんなデニーは、一人暮らしをはじめて、今日で三日が経過していた。

本当ならデニーには、両親の代わりに、育て役のおばさんがいたんだけど、友達と旅行に行ってしまったから、おばさんが向こうにいっている三日の間だけ、僕は一人でいなくちゃいけなくなったんだ。

え? それなら一人暮らしなんて言わないって?

それもそうだ。

でも、デニーはこれを、”お留守番”と言いたくなくて、あえて、”一人暮らし”と言っているんだ。

デニーはおばさんから、一人じゃあぶないからって言われて、代わりのシッターさんを雇ってもらったんだけど、実は、僕があとでこっそり、おばさんに内緒で、大人のふりをして、断りの電話をいれておいたんだ。

そのおかげで、僕はいま、立派な”一人暮らし”を、十分に満喫できてるってわけさ。

どうだい? グッドアイデアだろう?

実はこう見えて、僕はかしこい子なんだ。

ほかの子と比べてね。

一緒に暮らしているおばさんだって、僕を甘やかしてくれるから、僕は家で好き放題やっている。

本当に、毎日最高な暮らしさ。

でも、そんな僕でも、ひとつだけ不満があるとしたら、それは、家から一歩も出られないってことさ。

だから僕は今日も、家で好きなことをして、自由に過ごすんだ。

さあ、朝食を食べ終わったら、次は僕の大好きなおもちゃで遊ぼう。

ん? 歯磨きはしないのかって?

つづく



大森
コメント 0
登録日 2021.11.10 12:57

コメントを投稿する

1,000文字以内
この記事に関するコメントは承認制です

ログインするとコメントの投稿ができます。
ログイン  新規ユーザ登録

0

処理中です...

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。