デニーの一日2
デニーの食べ方が汚いのは、そうやって食べても、両親に叱ってもらったことが、これまで一度だってないからだった。
かつて、デニーの両親は、デニーになんでも、好きなだけ買い与えてやったり、夕飯前であろうと、夜中であろうと、時間を問わずに、デニーが食べたいと思った時に、おいしいおいしい、砂糖のはいった甘い物を、たくさん食べさせたりしていた。
そういうわけで、デニーは、きれいな食べ方を、大人の誰からも教わってはいなかった。
そんなデニーは、一人暮らしをはじめて、今日で三日が経過していた。
本当ならデニーには、両親の代わりに、育て役のおばさんがいたんだけど、友達と旅行に行ってしまったから、おばさんが向こうにいっている三日の間だけ、僕は一人でいなくちゃいけなくなったんだ。
え? それなら一人暮らしなんて言わないって?
それもそうだ。
でも、デニーはこれを、”お留守番”と言いたくなくて、あえて、”一人暮らし”と言っているんだ。
デニーはおばさんから、一人じゃあぶないからって言われて、代わりのシッターさんを雇ってもらったんだけど、実は、僕があとでこっそり、おばさんに内緒で、大人のふりをして、断りの電話をいれておいたんだ。
そのおかげで、僕はいま、立派な”一人暮らし”を、十分に満喫できてるってわけさ。
どうだい? グッドアイデアだろう?
実はこう見えて、僕はかしこい子なんだ。
ほかの子と比べてね。
一緒に暮らしているおばさんだって、僕を甘やかしてくれるから、僕は家で好き放題やっている。
本当に、毎日最高な暮らしさ。
でも、そんな僕でも、ひとつだけ不満があるとしたら、それは、家から一歩も出られないってことさ。
だから僕は今日も、家で好きなことをして、自由に過ごすんだ。
さあ、朝食を食べ終わったら、次は僕の大好きなおもちゃで遊ぼう。
ん? 歯磨きはしないのかって?
つづく
大森
かつて、デニーの両親は、デニーになんでも、好きなだけ買い与えてやったり、夕飯前であろうと、夜中であろうと、時間を問わずに、デニーが食べたいと思った時に、おいしいおいしい、砂糖のはいった甘い物を、たくさん食べさせたりしていた。
そういうわけで、デニーは、きれいな食べ方を、大人の誰からも教わってはいなかった。
そんなデニーは、一人暮らしをはじめて、今日で三日が経過していた。
本当ならデニーには、両親の代わりに、育て役のおばさんがいたんだけど、友達と旅行に行ってしまったから、おばさんが向こうにいっている三日の間だけ、僕は一人でいなくちゃいけなくなったんだ。
え? それなら一人暮らしなんて言わないって?
それもそうだ。
でも、デニーはこれを、”お留守番”と言いたくなくて、あえて、”一人暮らし”と言っているんだ。
デニーはおばさんから、一人じゃあぶないからって言われて、代わりのシッターさんを雇ってもらったんだけど、実は、僕があとでこっそり、おばさんに内緒で、大人のふりをして、断りの電話をいれておいたんだ。
そのおかげで、僕はいま、立派な”一人暮らし”を、十分に満喫できてるってわけさ。
どうだい? グッドアイデアだろう?
実はこう見えて、僕はかしこい子なんだ。
ほかの子と比べてね。
一緒に暮らしているおばさんだって、僕を甘やかしてくれるから、僕は家で好き放題やっている。
本当に、毎日最高な暮らしさ。
でも、そんな僕でも、ひとつだけ不満があるとしたら、それは、家から一歩も出られないってことさ。
だから僕は今日も、家で好きなことをして、自由に過ごすんだ。
さあ、朝食を食べ終わったら、次は僕の大好きなおもちゃで遊ぼう。
ん? 歯磨きはしないのかって?
つづく
大森
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登録日 2021.11.10 12:57
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