広原琉璃

広原琉璃

様々なテーマを設定した長編ファンタジーを投稿しています。感想などあれば励みになります。

小話4-6「ヒロトとミニドラゴン(その6)」

■ヒロトとミニドラゴン(その6)
(登場人物:ヒロト、ミニドラゴン)


「これは?」
「キュイィ……」

 んー、ウリっぽいのはダメと。
 いや、もしかしたら甘さが不足していたのかもしれない。
 そう考えながら、オレはドラゴン君を抱えつつ、別のモノを探す。
 まずは手持ちの食料から、拝借していいものを選別して、この子に見せているんだけど……なかなかヒットしてくれない。

「じゃがいも、はどうかな?」
「グギュウ……」

 露骨に嫌そうな顔をされた。
 見た目がちょっと泥っぽいから、その部分が嫌なのかな。
 基本的に、荷馬車に載せているのは日持ちする野菜がメインだから、あとはカボチャとか、さつまいもぐらいなんだけど。
 タマネギも一応あるにはあるけど、これって動物に与えるとダメな野菜筆頭だからなー……

「カボチャとさつまいも、どっちか好きだといいんだけど」

 ガサゴソと今しがた思いついた2種を取り出す。
 これらなら、さつまいも辺りが候補になりそうかな。
 そう思いながら見てると……

「キュイ!」

 ドラゴン君は目を輝かせ、飛びついたのは……目の前の2つを通り過ぎて、まさかの玉ねぎ入りの箱。

「うえぇ!? ま、まった、まって! それは一旦ストップ!」

 笑顔でパクパクと食べる姿に思わず絶句するも、慌てて箱から離す。

「ギュー……」
「口惜しそうな顔してもダメだからね!? と言うか、大丈夫!? 気持ち悪かったらペッ、しなさい、ペッ!」

 慌てているオレを見てか、ドラゴン君は首を傾げる。
 あれ、思ったよりも大丈夫そう。
 ドラゴンは体が頑丈だから、大丈夫、なのかな?

「いや、リレルに一応聞こう」
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登録日 2021.09.14 22:18

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