小話4-3「ヒロトとミニドラゴン(その3)」
■ヒロトとミニドラゴン(その3)
(登場人物:ヒロト、サディエル、クレイン、ミニドラゴン)
「ドラゴンとな?」
「はい。それで、クレインさんにこの子をどうするか、についてのご相談でして」
さて、オレとサディエルが真っ先に向かった場所は、まさかのクレインさんの元だった。
アルムとリレルじゃないんだ、とツッコミを入れたら、さらっと返答されたよ。
まずは、依頼主であるクレインさんの判断を仰ぐ、と。
冷静に考えたら、仲間内でこう! って決めても、最終判断はクレインさんになる。
となれば、クレインさんにお伺い立てるのが普通だよな。
普通こういう展開はまず仲間内であーだこーだ、なイメージだったから、サディエルに言われるまで本気で気づかなかったよ。
「……キュイ」
「はっはっは、ヒロト君に存外懐いているようじゃな。怖くないぞ、儂は彼らの仲間じゃからな」
「キュイ?」
「大丈夫だよ。クレインさんは優しい人だから」
「……キュイ♪」
オレの言葉が分かるんだろうな、きっと。
安全な人と認識したのか、クレインさんにも笑顔を見せるこの推定ミニドラゴン。
「それで、クレインさん。どうしましょうか」
「そうじゃのぉ……」
サディエルの問いかけに、クレインさんは難しい顔で考え込む。
「放置が難しそうならば、親の元に帰す、もしくは然るべき場所で保護かの。ドラゴンであれば、鱗や角とか有益じゃから……色々と危ない」
「やっぱりそうなりますよね」
「あの、サディエル、クレインさん……嫌な想像したくないんですが」
あえて先を言わないでくれたけど、つまりはそう言う事だよな。
小さいけどドラゴンであれば、その素材は有益と。魔物だからね、うん。
ここまで好意を向けられて敵意ゼロだと、やっぱり人間としては情が湧くから、出来ればそんな展開ご勘弁願いたい。
「この子の種族が分かればいいんじゃが……候補はいくつかあるが、絞り切れん。エルフェル・ブルグであれば、何かしら情報があるはずだが」
本当に、困った時にはエルフェル・ブルグだよね、この世界。
全ての情報が揃っているんだから、ある意味そうなんだろうけど。
「置いて行くのは、無理そうじゃな。ヒロト君への懐きっぷりを考慮したら」
(登場人物:ヒロト、サディエル、クレイン、ミニドラゴン)
「ドラゴンとな?」
「はい。それで、クレインさんにこの子をどうするか、についてのご相談でして」
さて、オレとサディエルが真っ先に向かった場所は、まさかのクレインさんの元だった。
アルムとリレルじゃないんだ、とツッコミを入れたら、さらっと返答されたよ。
まずは、依頼主であるクレインさんの判断を仰ぐ、と。
冷静に考えたら、仲間内でこう! って決めても、最終判断はクレインさんになる。
となれば、クレインさんにお伺い立てるのが普通だよな。
普通こういう展開はまず仲間内であーだこーだ、なイメージだったから、サディエルに言われるまで本気で気づかなかったよ。
「……キュイ」
「はっはっは、ヒロト君に存外懐いているようじゃな。怖くないぞ、儂は彼らの仲間じゃからな」
「キュイ?」
「大丈夫だよ。クレインさんは優しい人だから」
「……キュイ♪」
オレの言葉が分かるんだろうな、きっと。
安全な人と認識したのか、クレインさんにも笑顔を見せるこの推定ミニドラゴン。
「それで、クレインさん。どうしましょうか」
「そうじゃのぉ……」
サディエルの問いかけに、クレインさんは難しい顔で考え込む。
「放置が難しそうならば、親の元に帰す、もしくは然るべき場所で保護かの。ドラゴンであれば、鱗や角とか有益じゃから……色々と危ない」
「やっぱりそうなりますよね」
「あの、サディエル、クレインさん……嫌な想像したくないんですが」
あえて先を言わないでくれたけど、つまりはそう言う事だよな。
小さいけどドラゴンであれば、その素材は有益と。魔物だからね、うん。
ここまで好意を向けられて敵意ゼロだと、やっぱり人間としては情が湧くから、出来ればそんな展開ご勘弁願いたい。
「この子の種族が分かればいいんじゃが……候補はいくつかあるが、絞り切れん。エルフェル・ブルグであれば、何かしら情報があるはずだが」
本当に、困った時にはエルフェル・ブルグだよね、この世界。
全ての情報が揃っているんだから、ある意味そうなんだろうけど。
「置いて行くのは、無理そうじゃな。ヒロト君への懐きっぷりを考慮したら」
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登録日 2021.09.08 21:31
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