小話4-2「ヒロトとミニドラゴン(その2)」
「オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい」の小話4-2
■ヒロトとミニドラゴン(その2)
(登場人物:ヒロト、サディエル、ミニドラゴン)
「キュイ、キューイ!」
「あの、サディエル……なんか、無邪気で愛らしい無垢な瞳をこっちに向けた、ちっこい物体がオレに寄ってきて、抱っこしてって言っている感じに見えるんだけど」
「……今日も、いい天気だなぁ」
「サディエルー! 現実逃避しないでお願いだから!」
「あっははは……とりあえず、1つ分かることと言えば、刷り込みでヒロトを親って思っているんじゃないか、ぐらいか」
「刷り込み」
あれか、生まれたてのヒヨコのやつか。
最初に動いたものを親と思うアレ。
「キュイ!」
「ど、どうしよう……」
「危害はなさそうだから、抱っこしとくか? と言うか、ヒロトが抱っこしてやらないと暴れて危ないかも」
「それはまずいんじゃ!? えーと、ほら、おいでー」
オレは慌ててしゃがんで、その子に手を差し出す。
すると、パァァ、と嬉しそうな表情を浮かべてその子は駆け寄ってきて、腕の中にポスン、と埋もれた。
なんだろう、警戒心の無い犬か猫みたいな光景。
「キュイー♪……キュイ?」
ふと、その子の視線がサディエルに向く。
一瞬、あれ? って感じで不思議そうな顔をしたと思ったら、今度はオレを見る。
オレを見て、サディエルを見てと2~3度繰り返すと
「……キュイイ?」
おかしいなー、って感じでコテン、と首を再び傾げた。
「抱っこしたのはいいけど、この後どうするの、サディエル」
「うーん、戻って皆に報告と……こういうパターンは、クレインさんなら詳しいかもしれないから聞いてみるか」
「クレインさんが? あー、そっか、商売の関係で、魔物の素材取り扱ったりするから」
「そういうこと。その辺りの情報も詳しいと思うから、聞いてみよう。ただ……」
「ただ?」
「アルムとリレルが何を言うかな……」
サディエルの言葉に、オレは思わず沈黙してしまう。
オレが抱っこしているこの子を見て、アルムとリレルがどんな反応を示すのか。
想像しなくても分かる。
まず第一声は『捨ててこい』スタートに決まっている。
■ヒロトとミニドラゴン(その2)
(登場人物:ヒロト、サディエル、ミニドラゴン)
「キュイ、キューイ!」
「あの、サディエル……なんか、無邪気で愛らしい無垢な瞳をこっちに向けた、ちっこい物体がオレに寄ってきて、抱っこしてって言っている感じに見えるんだけど」
「……今日も、いい天気だなぁ」
「サディエルー! 現実逃避しないでお願いだから!」
「あっははは……とりあえず、1つ分かることと言えば、刷り込みでヒロトを親って思っているんじゃないか、ぐらいか」
「刷り込み」
あれか、生まれたてのヒヨコのやつか。
最初に動いたものを親と思うアレ。
「キュイ!」
「ど、どうしよう……」
「危害はなさそうだから、抱っこしとくか? と言うか、ヒロトが抱っこしてやらないと暴れて危ないかも」
「それはまずいんじゃ!? えーと、ほら、おいでー」
オレは慌ててしゃがんで、その子に手を差し出す。
すると、パァァ、と嬉しそうな表情を浮かべてその子は駆け寄ってきて、腕の中にポスン、と埋もれた。
なんだろう、警戒心の無い犬か猫みたいな光景。
「キュイー♪……キュイ?」
ふと、その子の視線がサディエルに向く。
一瞬、あれ? って感じで不思議そうな顔をしたと思ったら、今度はオレを見る。
オレを見て、サディエルを見てと2~3度繰り返すと
「……キュイイ?」
おかしいなー、って感じでコテン、と首を再び傾げた。
「抱っこしたのはいいけど、この後どうするの、サディエル」
「うーん、戻って皆に報告と……こういうパターンは、クレインさんなら詳しいかもしれないから聞いてみるか」
「クレインさんが? あー、そっか、商売の関係で、魔物の素材取り扱ったりするから」
「そういうこと。その辺りの情報も詳しいと思うから、聞いてみよう。ただ……」
「ただ?」
「アルムとリレルが何を言うかな……」
サディエルの言葉に、オレは思わず沈黙してしまう。
オレが抱っこしているこの子を見て、アルムとリレルがどんな反応を示すのか。
想像しなくても分かる。
まず第一声は『捨ててこい』スタートに決まっている。
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登録日 2021.09.06 23:18
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