九情承太郎

九情承太郎

作家。 アルファポリス&カクヨムに「スガヲノ忍者」「ま性戦隊シマパンダー」「ま戦機」「鬼面の忍者」連載中。Amazonで著作物を販売中です。 YouTubeチャンネルも開始。

スガヲノ忍者 製作雑記1 中編

 話が逸れた。
 いや、逸らした。
 白状するのは、楽屋ネタではない。
 記憶を遡ったら面白かったので、面白くない方向から、逸らした。
 サービス精神からではなく、自己防衛だ。
 さあ、恥を白状しよう。
 「スガヲノ忍者」は、高校時代に漫画で描いた。
 出版社にも持ち込んだ。
 二度も。
 新人賞に応募しましたとも。
 二度も。
 もちろん、落選。
 編集者から「君、落選したけど、光るものがあるね。次の作品、待っているよ」という電話は来なかった。
 諦めました、漫画家への道を。
 現実を思い知りました。
 厨二病患者には、よくある事です。

 次はアニメ化です。
 アニメの制作会社に就職しました。
 懐に「スガヲノ忍者」の企画書を抱えつつ、流石にオリジナルは通るまいと思い、SF小説「ノーストリリア」をアニメ化したいと、面接でぶち上げたらウケてしまい、就職しました。
 アニメ会社に、制作進行見習いとして。
 もう、天下を取るルートが見えましたね。
 安心して、仕事をしながら(覚えながら)「スガヲノ忍者」の制作を個人で勝手に始めました。
 一ヶ月でクビになりました。
 新人のくせに、制作進行の仕事をロクに覚えずに、作品のネームやコンテを描いて時間を潰そうとする馬鹿野郎に、プロデューサーが一ヶ月でキレました。
 うん、客観的に見て、俺でもキレる。
 最初で最後のアニメ会社からの月給は、十万円でした。時給で換算すると、五百円。
 よく覚えている。
 初めての給料で買ったのは、椎名へきるの「目を覚ませ、男なら」
 1996年4月1日。発売日に買いました。
 雨上がりの曇天の日でした。
 死ぬほど覚えとるわい。


 さあ、恥を晒すウォーミングアップは、整った。
 ここまでが、準備運動。
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登録日 2021.07.06 11:11

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