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 どうせ手を伸ばしても、誰も助けてはくれない。助けてはくれないのだ。・・・助けてはくれなかった。伸ばした手は虚しくも空を掴み、他人の温もりを忘れた。冷めきった心だからこそ、ここまで生きてこれた。温もりがなくてもここまで生きてこれた。ならば、これからも必要ない。  ◆悲痛な決意をした少年◆  産まれたときから存在を否定され続け、それでも死ぬことは許されない。抵抗するにも周りは皆が敵で、抵抗する力も気力もない。無駄なのだ。無駄だと知ったのだ。あらゆることを天秤にかける。この癖は中々直らない。私は泣くことをやめた。泣いたところでなにも変わらない。  ◇非情さで身を守る少女◇  そんな二人の物語
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文字数 74,125 最終更新日 2016.06.13 登録日 2016.05.30
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