平野 周

平野 周

歴史が好きで、小説が好きです。よろしくお願いします。
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 永禄九年九月。上野国箕輪城は武田信玄の猛攻によって落ちた。  城方だった新陰流の達人上泉信綱は、穴山信君の説得を受けて武田信玄に降る。だが、あろうことか信綱は、信玄への謁見の場で、隠居と新陰流流布の旅立ちを願うのだった。このとき信綱は、五十八歳。〈宿志〉実現には後のない年齢だった。  武将としての才を惜しむ信玄は、後日使者を派遣する旨言い置いて謁見の場を立つ。  一方、信綱の養子秀胤は、武田ではなく北条氏康に降ろうと考えていた。秀胤は、風魔小太郎と連絡を取り合いつつ、腹心猪子兵四郎に信玄の使者を斬るように命じる。  だが、そのもくろみは、富田一法斎なる兵法者の出現によって崩れ去る。武田の使者は無事到着し、信玄が信綱の隠居と新陰流流布の旅立ちを許したことを伝える。  武田の使者の去り際、猪子兵四郎を斬った富田一法斎が大胡城を訪ねてくる。翌日、富田一法斎と名乗るそっくりの人物が、もう一人信綱との試合を求めて大胡城を訪れてくる。不審に思った信綱が確認を命じると、始めに来た一法斎はいなくなっていた。二人の訪問の目的は何か?  同じ頃、上杉謙信に追われた忍びの名人加藤段蔵が〈新陰流陰の流れ〉の秘密とその奥義書を手に入れるべく上野国に現れる。秀胤の妻てるの方に仕える侍女早苗は、その段蔵の弟子だった。段蔵は早苗に命じて〈新陰流陰の流れ〉について調べ始めるが、それは新陰流へと至る〈陰の流れ〉の歴史を知ることだった。驚くべきことに、信綱には忍びの術が伝えられていたのである。  だが、どう調べても奥義書の存在がつかめない段蔵は、ついに上泉信綱と直接対決し、奥義書を奪おうと考える。  段蔵との戦いを制した信綱は、第二の人生を一介の兵法者として生きるために上泉城から旅立つのだった。
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文字数 102,870 最終更新日 2022.05.23 登録日 2022.05.21
加賀百万石の祖前田利家は、幼名を犬千代、元服して又四郎、後、又左衛門と名乗った。犬千代の頃、異装異形のガキ大将織田三郎信長に魅了され、自ら望んで小姓となる。信長も犬千代を可愛がり、寝るときも一緒だったが、長ずるに従い無聊の日が多くなっていった。そんな又左衛門は、信長の気持ちを信じて……。
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登録日 2023.05.17
文明六年、太田道灌は江戸城で歌合の会を催した。とき、あたかも道灌の主筋山内上杉家では、次の家宰職を巡って長尾景春と叔父との間に軋轢が昂じていた。 歌合のテーマは「海上うみの夕立」。長尾景春が謀叛すれば、関東は夕立で収まらず嵐になると予感する道灌が詠んだ歌は……。そして、勝負の相手木戸孝範が詠んだ歌は……。 さらに、その驚くべき理由とは……。
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登録日 2023.05.21
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