凪沙帳

凪沙帳

ありふれた悲劇と祈りを書きます
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これは「女」という呪いを解く物語 今を生きるお伽話のヒロインたちを「女」という呪いから解き放つをコンセプトにした短編集。 狼に囚われた赤ずきん――――染谷林檎 取り違えられたシンデレラ――居初宮乃 髪の短いラプンツェル――――似鳥綾 ――私たちは、本当に欲しい物を見つけに行こう。 ※作中に未成年者の喫煙・飲酒の描写を含みますが、それらの犯罪行為を助長する意図はありません。予めご了承下さい。 以下、各短編の簡単なあらすじ。軽微なネタバレを含むので、読みたくない方はスルーでお願いします。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 1章「果物が落ちた――染谷林檎の物語」 海沿いの田舎町で事務員をしていた染谷林檎は、閉塞した環境に耐えがたい生きづらさを感じていた。 そんな折に祖母のお見舞いに訪れた病院で"狼"に連れ去られる。 狼は欲しい物を与えてくれるが、いつしかそれが自分の欲求とすれ違っていることに気が付く。 もうここにはいられないと思い飛び出した夜の街で、ペンシルハウスに閉じ込められた女の子と邂逅する。 2章「硝子は痛みを透過しない――居初宮乃の物語」 女子大学で学生支援課職員として勤務する居初宮乃は、出産を期に退職してしまう先輩の送別会に参加していた。 尊敬する先輩が、あらゆる努力をしても打ち砕けなかった「ガラスの天井」に絶望しながら、せめて彼女が幸せになることを祈る。 そんな中、帰り道で赤いフードを被った家出少女を保護する。彼女から聞かされた生きづらさは、自分が抱える姉との確執や恋人との関係といった苦しみと、分かちがたく結びついていた。 3章「三月、塔、鳥は飛び立つ――似鳥綾の物語」 休学中の女子大生である似鳥綾は、自分を家や狭い社会に閉じ込めようとする魔女に立ち向かうことを決意して、家出を決行する。 その道中で出会った女性たちは皆、女性であることの呪いを抱えた人たちだった。一つ一つ過去を清算し、自由に生きるために彼女たちは海を目指す。
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文字数 48,161 最終更新日 2020.06.30 登録日 2020.06.29
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