後宮の棘3
行き遅れ姫の出立
「戦は終わらないのね――」自国で虐げられ、敵国である湖紅国に嫁いだ行き遅れ皇女・劉翠玉。皇帝の弟であり禁軍将軍でもある男・紅冬隼。政略結婚から始まった二人は、後宮での毒物事件や隣国・緋堯国との戦を経て、夫婦としての絆を確かなものにしていた。そして、露わになった新たな敵――隣国の裏に潜んでいた、大陸の統一を目論む大国の存在を前に、翠玉は冬隼と共に次の戦に向けて準備を進めることに。友好国との会談や作戦の立案、自らの母の昔馴染みとの邂逅など、忙しい日々を送る翠玉。ある日、そんな彼女の前に狐のお面の不思議な男が現れて――? 武闘派夫婦の波乱万丈な物語、第三弾!
後宮の棘2
行き遅れ姫の謀
「戦がはじまる――」そう呟いたのは、自国で虐げられ、敵国である湖紅国に嫁いだ行き遅れ皇女・劉翠玉。彼女の傍らに立つのは、皇帝の弟であり禁軍将軍でもある男・紅冬隼。政略結婚から始まった二人は、武芸を通し、夫婦として信頼関係を築いていた。そんなある日、隣国との戦に備えていた冬隼は、兵法の知識を持つ翠玉を戦場に連れ出すことを決意する。そして迎えた戦場……自らの作戦の失敗を悟った翠玉は、冬隼を信じ一人敵陣に乗り込むことに。冬隼もまた、愛する翠玉を信じ戦いを始めて――? 武闘派夫婦が織りなす後宮物語、再び!
後宮の棘
行き遅れ姫の嫁入り
「皮肉なものね――」自国で虐げられ、敵国である湖紅国に嫁ぐことになった行き遅れ皇女・劉翠玉。彼女は敵国へと向かう馬車の中で、自らの運命を思いポツリと呟いていた。翠玉の夫となるのは、湖紅国皇帝の弟であり、禁軍将軍でもある男・紅冬隼。翠玉は、愛されることは望まずとも、夫婦として冬隼と信頼関係を築いていきたいと願っていた。そして迎えた対面の日……自らの役目を全うしようとした翠玉に、冬隼は冷たい一言を放ち――? チグハグ夫婦が織りなす後宮物語、ここに開幕!