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独りぼっちの少女が居た。
それは、遠い遠い昔の事。
1人の少女が問うた。
何故、自分は存在しているのかと…。
何故、自分は生まれるのかと…。
そして独りぼっち故に何も返ってこないまま無限の疑問が増え続ける。
どんなに疑問を抱いても、問うモノはいなく。
どんなに仮説を考えても、応えるモノはいない。
少女は問う。『在る』とは何なのか、『世界』とは何なのか、それを問う『自分』は何なのかと。
ある日、少女は宇宙を見上げていた。
疑問を浮かべ、何か応えが欲しいように。
そして思う…これは一体何なのかと。
自分は一体何をしているのかと。
たった宇宙を見上げるだけ、それだけで、疑問を感じる。
この動作とはどう言う原理で動いたのか、少女にはまた1つの疑問を増えさせられる。
歩くだけでも…。
手を動かすだけでも…。
疑問が疑問を重ね、少女を苦しめる。
でも、少女には苦しむとは何なのかわからない。
何故か。それは少女の中にはその概念がないからだ。
いや、わかるはずが無いのだ、何故なら少女は独りでに出ている感情を思いもしないからだ。
誰も居ないと言うのは、少女には当たり前で当たり前じゃない。
そんな次から次へと、わからない概念の連鎖が少女の中で続く。
きっと、どこまでも先。
ずっと先。
永遠に。
でもただ1つ、分かる事がある。
それは、応える者。
自分の疑問に問い応える者が欲しいと彼女は概念としてあるのだ。
少しでも良い。
応えるだけで良い。
そう思いながら願う。
そんな欲望に惹かれる少女は何を意味するのか。
さて、今から始まるお話は、遠い遠い古のこと。
少女が最果てに探し求めた『概念』を…
そんな話を今からするとしよう。
文字数 2,436
最終更新日 2016.07.20
登録日 2016.07.20
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