『朱の狩人』7.リスク (3)アップ
「おい!」
歩道橋から前にのめり込みかけたとたん、がっしりと腕を掴まれ引き戻された。
「何をしている。落ちるぞ」
ぼんやりと声のする方を見上げる。茶色のペーズリー柄のシャツにより濃い茶色のスラックス、淡い茶色に染めた短髪の男が仁の腕を掴んでいた。見覚えがあるような気がするのだが、どうにも思い出せない。
「……落ちたかったのか?」
相手は仁を覗き込むように問いかけた。仁は『堕ちる』ということばにゆっくりと首を振ったが、相手は険しく眉をしかめたまま、仁の腕を離さない。
「危なっかしい奴だな。どちらへ降りるんだ? 一緒に降りるから言え」
「大丈夫……です……」
「顔色が悪い。昼間よりもっと危なそうだ。放っておいたらあいつに殺されるかも知れない。そういう関係は困る」
「昼……間……?」
「……覚えてないのか」
相手は溜息をついた。
歩道橋から前にのめり込みかけたとたん、がっしりと腕を掴まれ引き戻された。
「何をしている。落ちるぞ」
ぼんやりと声のする方を見上げる。茶色のペーズリー柄のシャツにより濃い茶色のスラックス、淡い茶色に染めた短髪の男が仁の腕を掴んでいた。見覚えがあるような気がするのだが、どうにも思い出せない。
「……落ちたかったのか?」
相手は仁を覗き込むように問いかけた。仁は『堕ちる』ということばにゆっくりと首を振ったが、相手は険しく眉をしかめたまま、仁の腕を離さない。
「危なっかしい奴だな。どちらへ降りるんだ? 一緒に降りるから言え」
「大丈夫……です……」
「顔色が悪い。昼間よりもっと危なそうだ。放っておいたらあいつに殺されるかも知れない。そういう関係は困る」
「昼……間……?」
「……覚えてないのか」
相手は溜息をついた。
コメント 0件
登録日 2017.02.11 22:19
0
件
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。