妹ばかり~ おまけのおまけ※全没(1)
最後公爵視点おまけ書こうと思ったのに全没供養(号泣)
◆◆◆
・公爵視点
ヴォルフのプライドは高い。
彼は、自分がこの世の誰よりも美しいことも、自分の力に刃向える人間がいないことも理解している。
彼には金もあり、身分もあり、それに固執しないだけの余裕もある。
シメオンは見栄っ張りだと言ったが、そもそもヴォルフはこれまで、見栄など張る必要を感じたことすらない。
なにもせずとも、彼は他人の関心を引き、注目を集めてきた。
魔族の血を引くという事実も、彼が卑下したことはない。
半魔であることに同情を寄せる者は少なくなかったが、それは人間側の勝手な思い上がりだ。
彼は半魔であればこそ、人々と一線を画しているのである。
今でこそ森に引きこもっているものの、社交界にいた頃の彼は実に華やかだった。
放っておいても周囲に人が集まり、彼の歓心を買おうと浮ついた言葉が飛び交ったものだ。
多くの人間たちが、ヴォルフの態度一つに一喜一憂した。
言葉の一つ、表情一つに右往左往する姿を、しかし彼は、いつだって見下ろす立場だ。
ヴォルフからなにかに執着したことはない。
彼の持つ他人への関心は、獲物か玩具かの二択のみ。
誰でも良い、と気まぐれに視線を向ければ、人々――特に若い娘は、それだけで舞い上がる。
――しょせんは人間。
魔王の血を引くヴォルフにとって、そこらの人間など対等な存在ではない。
彼は常に弄ぶ側。手のひらで転がす側の存在だった。
――――はずなのに。
あろうことか、その人間の小娘に手のひらで転がされることになろうとは、当時のヴォルフは想像したことすらなかった。
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・公爵視点
ヴォルフのプライドは高い。
彼は、自分がこの世の誰よりも美しいことも、自分の力に刃向える人間がいないことも理解している。
彼には金もあり、身分もあり、それに固執しないだけの余裕もある。
シメオンは見栄っ張りだと言ったが、そもそもヴォルフはこれまで、見栄など張る必要を感じたことすらない。
なにもせずとも、彼は他人の関心を引き、注目を集めてきた。
魔族の血を引くという事実も、彼が卑下したことはない。
半魔であることに同情を寄せる者は少なくなかったが、それは人間側の勝手な思い上がりだ。
彼は半魔であればこそ、人々と一線を画しているのである。
今でこそ森に引きこもっているものの、社交界にいた頃の彼は実に華やかだった。
放っておいても周囲に人が集まり、彼の歓心を買おうと浮ついた言葉が飛び交ったものだ。
多くの人間たちが、ヴォルフの態度一つに一喜一憂した。
言葉の一つ、表情一つに右往左往する姿を、しかし彼は、いつだって見下ろす立場だ。
ヴォルフからなにかに執着したことはない。
彼の持つ他人への関心は、獲物か玩具かの二択のみ。
誰でも良い、と気まぐれに視線を向ければ、人々――特に若い娘は、それだけで舞い上がる。
――しょせんは人間。
魔王の血を引くヴォルフにとって、そこらの人間など対等な存在ではない。
彼は常に弄ぶ側。手のひらで転がす側の存在だった。
――――はずなのに。
あろうことか、その人間の小娘に手のひらで転がされることになろうとは、当時のヴォルフは想像したことすらなかった。
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登録日 2020.03.01 17:42
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