『緑満ちる宇宙』第1章『アース・コロニー』の少女(2)アップ。
サヨコはカフェテリアに座って、冷えたアールグレイをストローで吸い上げた。
口の中に紅茶の芳香が広がる。コーヒーのようにきつくはない、けれども、はっきりとした薫り。存在感を与える薫りが苦手だという人も多いが、サヨコは好きだ。
日差しは午後に近づいてまばゆかった。くっきりと影を落とした木々に囲まれ、そこここに憩いを楽しむ人々が、木目をそのまま生かしたシンプルな木のテーブルについている。
人々の間を擦り抜けるようにして、風がゆっくりと渡っていく。カフェテリアの周囲にある花壇の花の匂いが風に運ばれ送られてくる。
医療セクションには、この手の屋外カフェテリアが多い。
雨風にテーブルや椅子が傷むこと、周囲をうずめる花壇や木々の手入れに費用がかかることなどを理由に、何度か屋内に移すことも検討されているが、いつも話は進まない。
それは、医療セクションの機能に関係しているかもしれない、とサヨコは思う。
医療セクションは、この『アース・コロニー』と宇宙空間の地球連邦管理下に置かれている部署で働く人間全てのために設けられている。
人種が入り乱れるここでは、さまざまな価値観とそれらに対するストレスを感じながら生活していかなくてはならない場所でもある。
口の中に紅茶の芳香が広がる。コーヒーのようにきつくはない、けれども、はっきりとした薫り。存在感を与える薫りが苦手だという人も多いが、サヨコは好きだ。
日差しは午後に近づいてまばゆかった。くっきりと影を落とした木々に囲まれ、そこここに憩いを楽しむ人々が、木目をそのまま生かしたシンプルな木のテーブルについている。
人々の間を擦り抜けるようにして、風がゆっくりと渡っていく。カフェテリアの周囲にある花壇の花の匂いが風に運ばれ送られてくる。
医療セクションには、この手の屋外カフェテリアが多い。
雨風にテーブルや椅子が傷むこと、周囲をうずめる花壇や木々の手入れに費用がかかることなどを理由に、何度か屋内に移すことも検討されているが、いつも話は進まない。
それは、医療セクションの機能に関係しているかもしれない、とサヨコは思う。
医療セクションは、この『アース・コロニー』と宇宙空間の地球連邦管理下に置かれている部署で働く人間全てのために設けられている。
人種が入り乱れるここでは、さまざまな価値観とそれらに対するストレスを感じながら生活していかなくてはならない場所でもある。
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登録日 2017.01.28 16:05
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