segakiyui

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『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『ラズーン』第一部 8.『太陽の池』(2)アップ。


 そういうこと、なのか、と思った。
 ユーノはアシャに気持ちを向けないということなのか。
 なぜだ、と振り向かせて言い募りたくなった。自惚れかも知れない、けれどなぜだ、なぜ俺では駄目なんだ、と。
 胸に閃いた答えを無視するように吐く。
(なぜ、俺では駄目だ?)
 だが、尋ねた瞬間、今開いたこの距離がもっと大きく裂けてしまい、2度と笑みさえ見せてくれないのではないか、そんな恐怖が襲ってアシャは戸惑いうろたえた。
(俺は……怖がってる…?)
 ユーノに手さえ触れられないことを?
「アシャ?」
「んっ」
 数歩離れたユーノが突然振り返る。にこ、と小さく笑って付け加えた。
「探しに来てくれて、ありがとう」
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登録日 2017.01.26 21:22

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