『桜の護王』10.直面(ひためん)(10)アップ。1580000ヒットありがとうございました!
「えーと…」
気持ちいいからつい眠ってしまったのだ、とぼそぼそと答えると、一瞬沈黙した護王は
「寝てたぁ…?」
情けない声を上げた。それから、ぎゅ、といっそう力を込めて洋子を抱き締めた。
「いてもうたろうか……」
殺気立った声でつぶやき、黙り込む。やがて少し腕の力を緩めて、
「も…ええわ…」
すりすり、と愛おしそうに頭に頬を擦り寄せられた。くすぐったさに首を竦めると、はあ、と護王は安堵したような甘い吐息をついた。
「うん……も…ええ……ええね、嫌われてても迷惑やってもストーカーでもかまへんね……あんたを失うぐらいやったら……あんたの命がなくなるぐらいやったら……俺が嫌われてもかまへんねん……うん……嫌てもええし。ヘンタイでもええし。そやけど、もうあんたの側は離れへんし」
自分に言い聞かせるような、思い詰めた声になって付け加える。
「俺が嫌やったら、死ねや、言うてくれたらええね。あんたが言うならいつかて死ぬし。十分生きたし……未練なんかあらへん。あんたが無事でおったらええねん。それだけで……姫さん?」
気持ちいいからつい眠ってしまったのだ、とぼそぼそと答えると、一瞬沈黙した護王は
「寝てたぁ…?」
情けない声を上げた。それから、ぎゅ、といっそう力を込めて洋子を抱き締めた。
「いてもうたろうか……」
殺気立った声でつぶやき、黙り込む。やがて少し腕の力を緩めて、
「も…ええわ…」
すりすり、と愛おしそうに頭に頬を擦り寄せられた。くすぐったさに首を竦めると、はあ、と護王は安堵したような甘い吐息をついた。
「うん……も…ええ……ええね、嫌われてても迷惑やってもストーカーでもかまへんね……あんたを失うぐらいやったら……あんたの命がなくなるぐらいやったら……俺が嫌われてもかまへんねん……うん……嫌てもええし。ヘンタイでもええし。そやけど、もうあんたの側は離れへんし」
自分に言い聞かせるような、思い詰めた声になって付け加える。
「俺が嫌やったら、死ねや、言うてくれたらええね。あんたが言うならいつかて死ぬし。十分生きたし……未練なんかあらへん。あんたが無事でおったらええねん。それだけで……姫さん?」
コメント 0件
登録日 2016.09.11 10:52
0
件
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。