『朱の狩人』1.光(1)
深い夜の中、何かにのしかかれらた気がして、浅葱仁は目を見開いた。
自分の部屋に寝ていたはずなのに、暗い宇宙空間に独り漂っているのに気づいて、声にならない叫びをあげる。
(落ち着け、いつもの夢だ)
心の中で言い聞かせるのを嘲笑うように、目の前に白い靄のようなものが現れ、やがて一つの映像となって結ぶ。
大きな水槽だ。真っ暗な空間に、それが1つ、ぽつんと置かれている。中には真珠色に輝く液体がゆったりと揺れている。
揺れて?
そう、中には何かが浮かんでいる。魚ではない、もっと生々しいもの。
何かに呼ばれたように『それ』は振り返った。
白い、赤ん坊だった。髪の毛もないつるりとした頭、真中に切れ目が入ったかと思うと、2つの真紅の瞳になって開かれる。
赤ん坊は唇をゆっくりと吊り上げた。
微笑み、というにはあまりにも禍々しい表情。
威圧的な絶対の自信を秘めて声が響く。
「こちらへ来い、仁。同じ力を持つ仲間ではないか。私の夢に加われ。お前の願いを満たすのだ」
(嫌だ)
激しい拒否とともに考えた瞬間、闇は一転紅に染まった。
自分の部屋に寝ていたはずなのに、暗い宇宙空間に独り漂っているのに気づいて、声にならない叫びをあげる。
(落ち着け、いつもの夢だ)
心の中で言い聞かせるのを嘲笑うように、目の前に白い靄のようなものが現れ、やがて一つの映像となって結ぶ。
大きな水槽だ。真っ暗な空間に、それが1つ、ぽつんと置かれている。中には真珠色に輝く液体がゆったりと揺れている。
揺れて?
そう、中には何かが浮かんでいる。魚ではない、もっと生々しいもの。
何かに呼ばれたように『それ』は振り返った。
白い、赤ん坊だった。髪の毛もないつるりとした頭、真中に切れ目が入ったかと思うと、2つの真紅の瞳になって開かれる。
赤ん坊は唇をゆっくりと吊り上げた。
微笑み、というにはあまりにも禍々しい表情。
威圧的な絶対の自信を秘めて声が響く。
「こちらへ来い、仁。同じ力を持つ仲間ではないか。私の夢に加われ。お前の願いを満たすのだ」
(嫌だ)
激しい拒否とともに考えた瞬間、闇は一転紅に染まった。
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登録日 2017.01.18 21:15
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