『ラズーン』第一部 7.アシャ(1)(個人サイトでアップ)
「『太陽の池』以来じゃな、アシャ」
「はっ」
「セレドに居たと聞いたが、レクスファは通らなかったではないか」
レダト王が鬚をねじりながらからかう。
アシャは薄笑いを浮かべて静かに頭を下げた。
「方向が逆でしたので」
「方向が逆……それは大儀であったろう、大陸をほとんど巡る旅じゃ」
生真面目な顔で頷いたレダト王は次の瞬間破顔一笑、アシャも顔を綻ばせる。
「他人行儀はよそう! イルファも来るがよい! 久しぶりの『三人衆』じゃ!」
上機嫌のレダト王に連れられ、アシャは王の私室へ招き入れられた。イルファものしのしと付き従う。
数々の諸候に違わず、レダト王もまたアシャに好感を抱いている。だが、それはいつものようにアシャの巧みなやり取りや優雅な物腰のせいだけではなく、このレクスファにはアシャもまた深い関わりがあったからだ。
「はっ」
「セレドに居たと聞いたが、レクスファは通らなかったではないか」
レダト王が鬚をねじりながらからかう。
アシャは薄笑いを浮かべて静かに頭を下げた。
「方向が逆でしたので」
「方向が逆……それは大儀であったろう、大陸をほとんど巡る旅じゃ」
生真面目な顔で頷いたレダト王は次の瞬間破顔一笑、アシャも顔を綻ばせる。
「他人行儀はよそう! イルファも来るがよい! 久しぶりの『三人衆』じゃ!」
上機嫌のレダト王に連れられ、アシャは王の私室へ招き入れられた。イルファものしのしと付き従う。
数々の諸候に違わず、レダト王もまたアシャに好感を抱いている。だが、それはいつものようにアシャの巧みなやり取りや優雅な物腰のせいだけではなく、このレクスファにはアシャもまた深い関わりがあったからだ。
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登録日 2017.01.15 00:38
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