segakiyui

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『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『ラズーン』第一部 5.標的として(3)(個人サイトでアップ)

(ずっと、こんなことをしていたのか)
 体の芯が冷えてぞくぞくした。指先が冷たくなっている。
(こんなに傷が残るような状態で、その傷も回復しないまま1人で戦っていたのか)
 傷を確かめ、水で洗い、布を押し当て止血する。レクスファに置いてきた医療具があればと密かに舌打ちする。
(それでなくとも、もっと早く呼んでくれれば)
 考えた瞬間、動けなくなったのに声を出さなかった理由がわかった。
 そんなことをしても誰も助けになど来ないからだ。むしろ弱っていると敵に知れて、屠られるのが早まるからだ。生き延びるためには、助けを求めるのを拒むしかない。
(それは、そうだが)
 納得しながらも呆然とする。
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登録日 2017.01.03 01:16

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