『未来を負うもの』4.暴発(1)
マイヤを連れ、さとると一緒に店を出た内田を見送って、仁はのろのろと向きを変えた。
もう一度、ちらっと肩越しに遠ざかって行く友人を見る。
(タフ、だよね)
内田の後ろ姿からは、ついさっきまで殺されそうになっていたという気配は微塵も感じられない。自分を殺そうとしていた相手二人を側においてさえ、ふてぶてしいほどの落ち着
き、とても高校生には見えない。
「はぁ」
仁は溜息をついて、重い足を引きずるように歩き始めた。
頭の隅に空いていた穴の気配は今はなかった。けれど、そのあたりに不安定な渦のようなものがある気がして、何かの拍子にそこにある門がぱくりと巨大な口を開ける、そんな気がする。
体は冬山登山をこなしたように重くて疲れ切ってるし、できることなら、今ここで自宅の前まで『移動』したいぐらいだ。
もう一度、ちらっと肩越しに遠ざかって行く友人を見る。
(タフ、だよね)
内田の後ろ姿からは、ついさっきまで殺されそうになっていたという気配は微塵も感じられない。自分を殺そうとしていた相手二人を側においてさえ、ふてぶてしいほどの落ち着
き、とても高校生には見えない。
「はぁ」
仁は溜息をついて、重い足を引きずるように歩き始めた。
頭の隅に空いていた穴の気配は今はなかった。けれど、そのあたりに不安定な渦のようなものがある気がして、何かの拍子にそこにある門がぱくりと巨大な口を開ける、そんな気がする。
体は冬山登山をこなしたように重くて疲れ切ってるし、できることなら、今ここで自宅の前まで『移動』したいぐらいだ。
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登録日 2017.01.01 15:03
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