『ラズーン』第一部 4.カザドへの挑発(2)(個人サイトでアップ)
一体どこへ行く。
不審がりながら、アシャは郊外へひたすら駆けるユーノを追う。
そのうちに前方の白い馬にまとわりつくようにひたひたと寄せてきた一群に気がついた。どれも黒づくめ、姿形を隠した装束、しかもそれぞれ剣を帯び、中には鞭を手にしているものもいる5、6騎、ユーノのレノを押し包むように迫っていく。
「ちいっ」
馬に鞭をくれてアシャは速度を上げた。
(ラズーンに出る前にもう騒動か。いつかの奴らか?)
ユーノは襲ってきた刺客を隣国カザディノ王の手の者だと言っていた。レアナを、やがてはセレドを手に入れようと狙っている、だが私が居る限り、そんなことは不可能だけどね、と冷ややかに笑った黒い瞳を思い出す。
なぜそれを明らかにしない、なぜ1人で戦って、誰の助けも拒んでいる。
尋ねたことばには口を噤んで、ついに応えなかったのだが。
不審がりながら、アシャは郊外へひたすら駆けるユーノを追う。
そのうちに前方の白い馬にまとわりつくようにひたひたと寄せてきた一群に気がついた。どれも黒づくめ、姿形を隠した装束、しかもそれぞれ剣を帯び、中には鞭を手にしているものもいる5、6騎、ユーノのレノを押し包むように迫っていく。
「ちいっ」
馬に鞭をくれてアシャは速度を上げた。
(ラズーンに出る前にもう騒動か。いつかの奴らか?)
ユーノは襲ってきた刺客を隣国カザディノ王の手の者だと言っていた。レアナを、やがてはセレドを手に入れようと狙っている、だが私が居る限り、そんなことは不可能だけどね、と冷ややかに笑った黒い瞳を思い出す。
なぜそれを明らかにしない、なぜ1人で戦って、誰の助けも拒んでいる。
尋ねたことばには口を噤んで、ついに応えなかったのだが。
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登録日 2016.12.28 23:40
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