『ラズーン』第一部 4.カザドへの挑発(1)(個人サイトでアップ)
付いて行こう。
アシャはそう思い定めた。
(とにかく、付き人である以上、主に許可はもらわねばな)
皇宮が寝静まる前にと、足を速めてユーノの居室に向かう。
イシュタが来てから数日、碌にユーノと話せなかった。姿を見かけて話し掛けようとするたびに、するっとかわされてしまうか、レアナやセアラ、時に不安がったミアナ皇妃などに遮られてしまう。
アシャはアシャなりに旅の装備をあれこれ考えているが、はたと気づけばそれこそユーノに同行する旨さえきちんと告げていない。自分でも思わぬところで浮き足立っていると苦笑しながら歩いていると、背後から軽い足音が追い掛けてきた。
「アシャ」
「……レアナ様」
夜闇に柔らかく響いた声に緊張を緩めて振り返る。急いで追ってきたのか、栗色の髪を肩に乱したレアナはほっとした顔でいそいそと近寄ってきた。
「ユーノのところへ行くのでしょう?」
「同行の許可をまだ頂いておりませんので」
苦笑いしながら応じると、レアナは困ったように眉をそっと潜めた。
アシャはそう思い定めた。
(とにかく、付き人である以上、主に許可はもらわねばな)
皇宮が寝静まる前にと、足を速めてユーノの居室に向かう。
イシュタが来てから数日、碌にユーノと話せなかった。姿を見かけて話し掛けようとするたびに、するっとかわされてしまうか、レアナやセアラ、時に不安がったミアナ皇妃などに遮られてしまう。
アシャはアシャなりに旅の装備をあれこれ考えているが、はたと気づけばそれこそユーノに同行する旨さえきちんと告げていない。自分でも思わぬところで浮き足立っていると苦笑しながら歩いていると、背後から軽い足音が追い掛けてきた。
「アシャ」
「……レアナ様」
夜闇に柔らかく響いた声に緊張を緩めて振り返る。急いで追ってきたのか、栗色の髪を肩に乱したレアナはほっとした顔でいそいそと近寄ってきた。
「ユーノのところへ行くのでしょう?」
「同行の許可をまだ頂いておりませんので」
苦笑いしながら応じると、レアナは困ったように眉をそっと潜めた。
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登録日 2016.12.27 19:02
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