木森木林(きもりきりん)

木森木林(きもりきりん)

産婦人科専門医、生殖医療専門医、母体保護医です。

人工子宮 第3章 第8話を書き終えて

染色体異常として、「数的異常」ではなく頻度は少ないのですが「構造異常」が見つかることがあります。「数的異常」は偶発的に起こることが多いのですが、構造異常はカップルのいずれかに染色体構造異常が見つかる可能性があることが知られています。このため絨毛染色体検査で「構造異常」が見つかったときには夫婦の染色体検査が勧められます。

構造異常の中でも多いのは「均衡型転座」ですが、「同じ染色体の中で並び方が一部が入れ替わった状態」ですが全てのDNAは満たされており、ご本人の健康状態としては全く問題ありません。ただ配偶子(精子や卵子)が造られるときに問題を起こす可能性があり、カップルの一方に均衡型染色体異常があると、25%では正常 、25%では均衡型転座 、50%では不均衡型転座(妊娠しないか流産)になると考えられます。

染色体構造異常に限らず、遺伝的疾患やその保因が見つかったときには、ご本人だけでなく家族や家系にも関連する可能性がありますので、染色体検査や遺伝子検査は十分説明を聞き理解して受ける必要があります。
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登録日 2019.04.15 21:41

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