1978年に世界で初めての体外受精児であるルイーズ ブラウンさんが英国で生まれてから、未だ50年も経っていませんが、いまや体外受精は標準的治療法として世界に広まっています。ちなみにルイーズ ブラウンさんは、すでに自然妊娠で子どもを授かっておられます。

生殖技術の進展により、受精卵だけでなく、精子や卵子の凍結保存も可能で、「病気で精子や卵子がなくなる可能性がある」ときに凍結保存できるようになっています。病気になってからだけでなく「将来の妊孕性を広げるために精子や卵子を凍結保存しておきたい」という要望にもある程度応えられるようになっているのです。

特に女性は35歳くらいから、「妊娠しづらく」、「流産しやすく」なる。男性も、生来あるいは精索静脈瘤などでは精子所見が不良になって行く可能性があります。こういったことから、この小説では、国家プロジェクトとして「希望があれば費用負担なく凍結しておくことができる」としています。