『ラズーン』第一部 3.ラズーンよりの使者(4)(個人サイトでアップ)
(きれい……だったな)
話し声に目覚めて木立から外を伺った瞬間、目に飛び込んだ光景を思い出す。
花苑の中、白いドレスのレアナとセアラ、微笑むアシャの3人は神話を描いた絵画のように美しかった。光がそこに集まっているようだった。あまりにも見事で、近づけないと判じたのだろう、遠巻きにして見ている娘達と同じように、いや、それよりも竦むような思いで見愡れていた。
私はあそこにふさわしくない。
あの美しい光景には入れない。
降り落ちた圧倒的な理解。
呼ばれたから出ていっておどけて見せた。礼をとったのは本心、男女交代することでアシャを望めるならばと願ってしまった自分が哀しかった。不愉快そうにアシャが顔を歪めて、もうふざけ通すしかなかったけれど。
消えたかった。
アシャが居なければ、これほど居たたまれなくもならなかっただろうに。
アシャが居ることで改めて気づいてしまった。
自分の居場所はここにはない。
話し声に目覚めて木立から外を伺った瞬間、目に飛び込んだ光景を思い出す。
花苑の中、白いドレスのレアナとセアラ、微笑むアシャの3人は神話を描いた絵画のように美しかった。光がそこに集まっているようだった。あまりにも見事で、近づけないと判じたのだろう、遠巻きにして見ている娘達と同じように、いや、それよりも竦むような思いで見愡れていた。
私はあそこにふさわしくない。
あの美しい光景には入れない。
降り落ちた圧倒的な理解。
呼ばれたから出ていっておどけて見せた。礼をとったのは本心、男女交代することでアシャを望めるならばと願ってしまった自分が哀しかった。不愉快そうにアシャが顔を歪めて、もうふざけ通すしかなかったけれど。
消えたかった。
アシャが居なければ、これほど居たたまれなくもならなかっただろうに。
アシャが居ることで改めて気づいてしまった。
自分の居場所はここにはない。
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登録日 2016.12.23 13:59
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