『ラズーン』第一部 3.ラズーンよりの使者(2)(個人サイトでアップ)
『今回は対処が遅れた』
苦笑したユーノの腕には傷があった。おかしな気配がある、レアナ達を見てきてほしい。そう命じられて従ったのが、結果的にユーノを刺客に晒すことになってしまってアシャは苛立った。
『ゼランは何をしているんだ?』
駆けつけ損ねた怒りを、皇女の危険にも反応しない親衛隊の長にぶつければ、ユーノは目を逸らせて、何とかできたからいいんだよ、と応じた。
傷を押えた布に薄赤い汚れが染み込んでいた。止血を気にして近寄ったアシャに、きっぱり首を振って、ユーノは居室に引いた。
『いいよ、自分でできる。疲れたからもう寝る』
追いかけて声をかけても扉は開かれなかった。仕方なしに引き上げたが、あの傷では一晩中痛んだはずだ。
ゼランを見かけたら一言言ってやろうと思ってるのに、捕まえかけるとユーノが現れ首を振る。
『いいんだ、余計なことをするな。あなたは私の付き人だろう? 主の命令はそれほど軽いのか?』
厳しく言い渡されて不承不承引きはしたが。
したが。
(いつもこいつばかり狙われる…なぜだ?)
苦笑したユーノの腕には傷があった。おかしな気配がある、レアナ達を見てきてほしい。そう命じられて従ったのが、結果的にユーノを刺客に晒すことになってしまってアシャは苛立った。
『ゼランは何をしているんだ?』
駆けつけ損ねた怒りを、皇女の危険にも反応しない親衛隊の長にぶつければ、ユーノは目を逸らせて、何とかできたからいいんだよ、と応じた。
傷を押えた布に薄赤い汚れが染み込んでいた。止血を気にして近寄ったアシャに、きっぱり首を振って、ユーノは居室に引いた。
『いいよ、自分でできる。疲れたからもう寝る』
追いかけて声をかけても扉は開かれなかった。仕方なしに引き上げたが、あの傷では一晩中痛んだはずだ。
ゼランを見かけたら一言言ってやろうと思ってるのに、捕まえかけるとユーノが現れ首を振る。
『いいんだ、余計なことをするな。あなたは私の付き人だろう? 主の命令はそれほど軽いのか?』
厳しく言い渡されて不承不承引きはしたが。
したが。
(いつもこいつばかり狙われる…なぜだ?)
コメント 0件
登録日 2016.12.21 00:25
0
件
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。