『桜の護王』10.直面(ひた面)(5)アップ。
「あ、あの、ごめんなさい、そやから、その、ここに」
みるみる熱くなってくるのを振り切るように、ブラウスのボタンを外しかけると、ことさら大きい溜息を護王がついてどきりとした。
「なんや、あんたもか」
「え?」
「ええかげんにしてくれへんかな。色仕掛けはきかへんね」
嘲笑うように言い放たれて、洋子はぽかんとした。
「色、仕掛け?」
「まあ、年齢も年齢やし、焦るのわかるけど、俺は『姫さん』しか相手にせえへん。花王紋がないんやったら、どんな女も同じやねん。据え膳食う気もないし」
護王はうっすらと醒めた笑みを浮かべた。
「それとも何か、とりあえず、抱いてくれればええって口か?」
(年齢? 焦る? 据え膳? 抱いてくれれば…ええ?)
「!」
ふいに護王が何を言っているのかがわかって、洋子は血の気が引いた。
「あたしが……花王紋もないのに……あんたを……誘惑しにきた…って…?」
みるみる熱くなってくるのを振り切るように、ブラウスのボタンを外しかけると、ことさら大きい溜息を護王がついてどきりとした。
「なんや、あんたもか」
「え?」
「ええかげんにしてくれへんかな。色仕掛けはきかへんね」
嘲笑うように言い放たれて、洋子はぽかんとした。
「色、仕掛け?」
「まあ、年齢も年齢やし、焦るのわかるけど、俺は『姫さん』しか相手にせえへん。花王紋がないんやったら、どんな女も同じやねん。据え膳食う気もないし」
護王はうっすらと醒めた笑みを浮かべた。
「それとも何か、とりあえず、抱いてくれればええって口か?」
(年齢? 焦る? 据え膳? 抱いてくれれば…ええ?)
「!」
ふいに護王が何を言っているのかがわかって、洋子は血の気が引いた。
「あたしが……花王紋もないのに……あんたを……誘惑しにきた…って…?」
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登録日 2016.09.06 23:04
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