『周一郎舞台裏』7.シーン307 (3)アップ。
「以前垣さんにもお話ししたでしょう? 私、修一さんを買ってるんです、マネージャーとしても、私個人としても。だから、彼の才能を妨げるものがあれば、微力ながら排除するのに全力を尽くします、たとえそれが何であろうと、と?」
ふいにわかった。
「佐野さん、あなた」
違う、この女性はそんな甘い優しい感覚で物事に向き合う人じゃない。ましてや、自分の期待と信頼を裏切ったものに対しては、髪の毛一筋の未練も残さない人だ。
「そういうことなんだよ、垣くん」
宮田がチェシャ猫のように薄笑いを顔全面に広げた。薄く引き延ばされた唇、弧を描いて細められた瞳、緩やかに左右に引かれた眉。どこからどう見ても笑顔なのに、どんなに頑張っても安心できない薄気味悪い微笑。
「愛社精神? 社会正義? いやいや、この人の中にそんなものはないさ。あるのは友樹修一という類稀なる才能を傷つけようとする存在への怒り」
ああ、そうだろうさ。
垣はぞくりと身を震わせる。
ふいにわかった。
「佐野さん、あなた」
違う、この女性はそんな甘い優しい感覚で物事に向き合う人じゃない。ましてや、自分の期待と信頼を裏切ったものに対しては、髪の毛一筋の未練も残さない人だ。
「そういうことなんだよ、垣くん」
宮田がチェシャ猫のように薄笑いを顔全面に広げた。薄く引き延ばされた唇、弧を描いて細められた瞳、緩やかに左右に引かれた眉。どこからどう見ても笑顔なのに、どんなに頑張っても安心できない薄気味悪い微笑。
「愛社精神? 社会正義? いやいや、この人の中にそんなものはないさ。あるのは友樹修一という類稀なる才能を傷つけようとする存在への怒り」
ああ、そうだろうさ。
垣はぞくりと身を震わせる。
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登録日 2016.12.16 09:54
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