『周一郎舞台裏』7.シーン307 (2)アップ。
「重大な問題?」
「ああ。友樹君なんだが…」
「うん…?」
ばさばさっと目の前に2つの花束が差し出された。片方が白い薔薇を中心にかすみ草で取り巻かれた淡い色みの清楚な花束、もう片方が黄色い薔薇と紺色、赤などのメリハリ花々でコントラストを効かせた派手な花束。
「友樹君、どっちが好みだろうか!」
「……あのな」
能天気ににこにこ笑いながら花束を抱える宮田をねめつける。
「そういう金はどっから出てる?」
「もちろん、必要経費」
「……なんの」
「友樹修一のガードをするための」
ああそうだそうだそういうやつだったなのにこいつは国家公務員なんだよなほんとにもうどうしてやろう。
そういう文句を呑み込んで視線を逸らせようとすると、
「あ、見捨てるなよ」「見捨てたくもなるわいっ」
素早く察した宮田に突っ込まれて怒鳴り返す。
「ガードはどうしたガードは!」
「いやそれもやっぱりさ、花束が決まらなきゃ話しかけにくいだろう、いろいろと」
「関係ねえだろ!」
「依頼人との距離を縮めなくちゃ!」
「そんな方向に縮めるなっ!」
「わかったよ!」
宮田は奮然として花束を両方引き寄せて胸を張り、冷ややかに垣を見下ろした。
「そんなこと言うなら両方にしてやる!」
「ああ。友樹君なんだが…」
「うん…?」
ばさばさっと目の前に2つの花束が差し出された。片方が白い薔薇を中心にかすみ草で取り巻かれた淡い色みの清楚な花束、もう片方が黄色い薔薇と紺色、赤などのメリハリ花々でコントラストを効かせた派手な花束。
「友樹君、どっちが好みだろうか!」
「……あのな」
能天気ににこにこ笑いながら花束を抱える宮田をねめつける。
「そういう金はどっから出てる?」
「もちろん、必要経費」
「……なんの」
「友樹修一のガードをするための」
ああそうだそうだそういうやつだったなのにこいつは国家公務員なんだよなほんとにもうどうしてやろう。
そういう文句を呑み込んで視線を逸らせようとすると、
「あ、見捨てるなよ」「見捨てたくもなるわいっ」
素早く察した宮田に突っ込まれて怒鳴り返す。
「ガードはどうしたガードは!」
「いやそれもやっぱりさ、花束が決まらなきゃ話しかけにくいだろう、いろいろと」
「関係ねえだろ!」
「依頼人との距離を縮めなくちゃ!」
「そんな方向に縮めるなっ!」
「わかったよ!」
宮田は奮然として花束を両方引き寄せて胸を張り、冷ややかに垣を見下ろした。
「そんなこと言うなら両方にしてやる!」
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登録日 2016.12.15 21:46
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