segakiyui

segakiyui

『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『周一郎舞台裏』6.シーン203(4)アップ。

(バレてる!)
 修一はぎくりと体を震わせた。意識しているのかしていないのか、垣は修一が『演じている』と言い放っている。周一郎ではなく、『友樹修一』を今も演じている、と。
「眼鏡違いだったのを認めるのは嫌だろうが、オレはどうも役者には向いていないらしい」
(そうじゃない)
 修一は気づいた。垣は本当に『役者』なのだ。
 だから、相手がほんの少しでも『演じている』ならば、すぐに自分も役からずり落ちてしまう。いや、相手の姿に応じてしまうというか。だから、垣が『滝』になり切れないのは、修一が『周一郎』に入り切れなかったからだ。
 それを伊勢は分っていた。確かに始めは垣を叱咤していたけれど、途中から切っ先が修一に向いたのは、垣の『ずれ』が修一の役作りの『ずれ』によると気づいたからだ。
コメント 0
登録日 2016.12.13 20:57

コメントを投稿する

1,000文字以内
この記事に関するコメントは承認制です

ログインするとコメントの投稿ができます。
ログイン  新規ユーザ登録

0

処理中です...

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。