『周一郎舞台裏』4.シーン119(3)アップ。
カチンコが鳴った。
「周一郎が?」
滝は周一郎が部屋にいないということを聞いて眉を寄せた。
「わかった、すぐに行くよ」
高野の姿が消え、ドアを閉めた滝は、背後から吹き付ける薄寒い風に顔をしかめて振り返り、窓の近くの壁にもたれて、かろうじて立っている少年を見つけた。
「周一郎!」
一声叫んで駆け寄り、相手の様子の異常さに眉をしかめる。周一郎の額には汗が浮かんでいるのに顔色はひどく悪く、微かに呼吸を乱しているのに気づいたが、滝は声を荒げた。
「何してるんだ! 今、美華さんが殺されて、お前が疑われているんだぞ!」
「知って…いる」
小さく呟いて周一郎はずるずると壁を伝ってくずおれた。ぐったりした様子で腰を落とし、壁にもたれて息を喘がせる。
「ルト……外の雪に血の跡を残してきてしまった……消して…おいてくれ…」
にゃあん、と答える猫の声がした。滝はぎょっとしたように周一郎の前にしゃがみ込み、両手を伸ばして周一郎の肩を掴んで喚く。
「じゃ、やっぱりお前が!」
「あうっ!!」
びくんと体を強張らせ、周一郎が悲鳴を上げた。どきりとして滝は少年の肩から手を離す。
「周一郎が?」
滝は周一郎が部屋にいないということを聞いて眉を寄せた。
「わかった、すぐに行くよ」
高野の姿が消え、ドアを閉めた滝は、背後から吹き付ける薄寒い風に顔をしかめて振り返り、窓の近くの壁にもたれて、かろうじて立っている少年を見つけた。
「周一郎!」
一声叫んで駆け寄り、相手の様子の異常さに眉をしかめる。周一郎の額には汗が浮かんでいるのに顔色はひどく悪く、微かに呼吸を乱しているのに気づいたが、滝は声を荒げた。
「何してるんだ! 今、美華さんが殺されて、お前が疑われているんだぞ!」
「知って…いる」
小さく呟いて周一郎はずるずると壁を伝ってくずおれた。ぐったりした様子で腰を落とし、壁にもたれて息を喘がせる。
「ルト……外の雪に血の跡を残してきてしまった……消して…おいてくれ…」
にゃあん、と答える猫の声がした。滝はぎょっとしたように周一郎の前にしゃがみ込み、両手を伸ばして周一郎の肩を掴んで喚く。
「じゃ、やっぱりお前が!」
「あうっ!!」
びくんと体を強張らせ、周一郎が悲鳴を上げた。どきりとして滝は少年の肩から手を離す。
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登録日 2016.12.07 08:47
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