はじめまして。こんにちは。
　お読みいただきありがとうございます。

　突然ですが、皆様は『暗夜行路』をご存知でしょうか。
　これはレクリエーションの一種で、日本のとある地域に実在します。その内容は、『目隠しをしてロープを伝い、山を登る』というものです。はい、めっちゃ怖くないですか。怖いです。握力が命を決めます。

　その地域では小学六年生になると半ば強制的にこのレクリエーションに参加させられます。何を隠そう私もその地域で生きてきたため、当然のように『暗夜行路』を体験しました。ですので確信を持って言えますが、先述したとおりめっちゃ怖いです。
　軍手ごしに伝わる太いロープの感触。まさに命綱です。

　やってみると本当に途方もなく長く感じるんですが、おそらく短い距離を短時間登っているだけで、なおかつ先生方が後ろをがっちりガードしていると思います。でも目が見えない状態で、足元に何があるかわからない山を登るという恐怖から長く感じるんですよね。人間の知覚って不思議。
　
　日本全国の小学六年生は必ず山で『暗夜行路』を体験すると思って生きていたので、ごく最近これがローカル限定行事だったことを知って戦慄しています。えっみんな山の学習行かないの？
　ちなみに志賀直哉先生の著作とは一切関係ありません。

　この作品は、『暗夜行路』の鮮烈な体験をもとに書いてみました。一つの感覚を遮断すると、他の感覚が研ぎ澄まされますね。今思えば、とてもおいしい…いや、貴重な体験をさせてもらいました。

　気分転換できたので、連載中の二作目（歌を忘れた～）の続きをがんばります。
　
　ここまでお読みいただきありがとうございました。