本日の短編(22)前
『怖い夢を見た日には』マクシミリアンside
いつもの時間にお嬢様を起こしに寮の部屋へと向かうと、寝起きがあまりよくないお嬢様が珍しくすでに寝台の上に身を起こしていた。
しかし……その様子がなにかおかしい。
銀色の睫毛に縁取られた湖面の色の瞳からはとめどなく雫が溢れ、お嬢様はしゃくりを上げながら頬を伝うその涙を拭っている。
一体どうされたのか……!
私は心配になり早足で駆けつけお嬢様の頬を両手で包むと、安心させようと額にできるだけ優しくキスをする。
「……こわい……夢をみたの」
お嬢様がか細い声でそう言う。そしてまたぽろり、と頬に透明な雫が伝った。
「お嬢様。泣かないでください……私まで悲しくなります」
か細い体に腕を回し抱きしめると、お嬢様は私の腕の中で体を震わせながらしばらく嗚咽を上げていた。
……どんな怖い夢を見たのだろう。私に、お気持ちは癒せるのだろうか。
そんなことを考えながらお嬢様の背中を撫でさすり、ハンカチを取り出して時折涙を拭ってさしあげる。
「マクシミリアン、愛してるの。どこにも……行かないで」
いつもの時間にお嬢様を起こしに寮の部屋へと向かうと、寝起きがあまりよくないお嬢様が珍しくすでに寝台の上に身を起こしていた。
しかし……その様子がなにかおかしい。
銀色の睫毛に縁取られた湖面の色の瞳からはとめどなく雫が溢れ、お嬢様はしゃくりを上げながら頬を伝うその涙を拭っている。
一体どうされたのか……!
私は心配になり早足で駆けつけお嬢様の頬を両手で包むと、安心させようと額にできるだけ優しくキスをする。
「……こわい……夢をみたの」
お嬢様がか細い声でそう言う。そしてまたぽろり、と頬に透明な雫が伝った。
「お嬢様。泣かないでください……私まで悲しくなります」
か細い体に腕を回し抱きしめると、お嬢様は私の腕の中で体を震わせながらしばらく嗚咽を上げていた。
……どんな怖い夢を見たのだろう。私に、お気持ちは癒せるのだろうか。
そんなことを考えながらお嬢様の背中を撫でさすり、ハンカチを取り出して時折涙を拭ってさしあげる。
「マクシミリアン、愛してるの。どこにも……行かないで」
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登録日 2018.11.22 05:17
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