『周一郎舞台裏』2.シーン202ーーシーン118(2)アップ。
『修一君、行くよ!』
声に顔を上げる。ガラスの向こうで、スタッフが親指を立てて合図する。頷いて修一は呼吸を整える。
今度の『月下魔術師』の主題歌『ロード・オン・ロード』のレコーディングは順調だった。口パク中心、そのことへの罪悪感さえ持たないアイドルにうんざりしていたスタッフは、修一がきちんと歌い込んでくることに喜び、感心してくれる。
『君ぐらい声が訓練されてると、ミキシングに胸が傷まないよ』
ミキサーの笑顔に、修一は人なつっこく笑い返す。
「そりゃ、しっかりしごかれたからね、父親に」
『なるほどな、さすがだ、修一君!』
ふっと修一は淡い笑みを浮かべて譜面に目を落とす。前奏が始まり、口を開く。
「出会いはいつでも
半分は運命の偶然、残りは神様のいたずらさ…」
歌いながら思い返す。
朝、いかにも子どもの成長を楽しみにしているといった様子でやってきた、友樹陽一の姿……。
声に顔を上げる。ガラスの向こうで、スタッフが親指を立てて合図する。頷いて修一は呼吸を整える。
今度の『月下魔術師』の主題歌『ロード・オン・ロード』のレコーディングは順調だった。口パク中心、そのことへの罪悪感さえ持たないアイドルにうんざりしていたスタッフは、修一がきちんと歌い込んでくることに喜び、感心してくれる。
『君ぐらい声が訓練されてると、ミキシングに胸が傷まないよ』
ミキサーの笑顔に、修一は人なつっこく笑い返す。
「そりゃ、しっかりしごかれたからね、父親に」
『なるほどな、さすがだ、修一君!』
ふっと修一は淡い笑みを浮かべて譜面に目を落とす。前奏が始まり、口を開く。
「出会いはいつでも
半分は運命の偶然、残りは神様のいたずらさ…」
歌いながら思い返す。
朝、いかにも子どもの成長を楽しみにしているといった様子でやってきた、友樹陽一の姿……。
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登録日 2016.11.28 21:59
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