segakiyui

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『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『ラズーン』第四部 10.幻遥けく(12) (個人サイトでアップ)

 アシャの唇が唐突に動き、掠れた声が零れてどきりとした。目を見開く、その耳が拾ったことばの意外さに、思考が追いつかない。そのリディノを嘲笑うように、アシャは再び、優しい不安げな声で繰り返した。
「…ユーノ……そっちへ……行くな…」
「…アシャ……」
 聞いたことのない声、だが、その声色に感じ取ったのは、紛れもなく、さっきの恋歌に含まれていた切ない、愛しい、熱っぽい懇願。
(まさか)
 視界が衝撃に眩み、歪む。
 否定しようとする心を嘲笑う確信。
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登録日 2018.09.08 07:08

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