『桜の護王』14.鳴滝(12)アップ。(個人サイトにて)
たんっ! たんっ!
「はっ…っあっ!!」
僅かな間隔をあけて続けざまに同じ音が響き、最初の音を耳にして跳ね上がるように体を起こした護王の背中に鮮血が散った。衝撃に流されかけ、それでも体を翻らせて布団を引き上げ、洋子を背後に庇った護王が、顔を歪めながら部屋の戸口に立っている日高幸一郎を睨みつける。
「南部十四年式…」
幸一郎が右手に構えている銃の名を吐くと、相手が冷えた目で笑った。
「さすがによく知っているな、陸軍時代の……親父の形見だよ」
幸一郎は筒先をまっすぐに護王の顔に向けた。
「さあ、花王紋を返してもらおうか」
「姫さんには…もう…花王紋なんてあらへんで…」
背中を貫いた二発の弾丸に息を荒げながら、護王は両手を広げて洋子の体を幸一郎の照準から隠した。
「三日目の儀式は…とっくに済ませた……俺は…せっかちなんや」
「はは……若いな……お前は」
幸一郎は楽しそうに笑った。
「はっ…っあっ!!」
僅かな間隔をあけて続けざまに同じ音が響き、最初の音を耳にして跳ね上がるように体を起こした護王の背中に鮮血が散った。衝撃に流されかけ、それでも体を翻らせて布団を引き上げ、洋子を背後に庇った護王が、顔を歪めながら部屋の戸口に立っている日高幸一郎を睨みつける。
「南部十四年式…」
幸一郎が右手に構えている銃の名を吐くと、相手が冷えた目で笑った。
「さすがによく知っているな、陸軍時代の……親父の形見だよ」
幸一郎は筒先をまっすぐに護王の顔に向けた。
「さあ、花王紋を返してもらおうか」
「姫さんには…もう…花王紋なんてあらへんで…」
背中を貫いた二発の弾丸に息を荒げながら、護王は両手を広げて洋子の体を幸一郎の照準から隠した。
「三日目の儀式は…とっくに済ませた……俺は…せっかちなんや」
「はは……若いな……お前は」
幸一郎は楽しそうに笑った。
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登録日 2016.11.17 08:25
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