『アシュレイ家の花嫁』8.運命の輪 アップ。
クリスと入れ代わりに部屋を出た芽理は扉を閉めて深い溜息をついた。
「ふ…ぅ」
そのとたん、ぼろぼろと吹き零れた涙を慌てて拭う。
(マ-ス…)
拭った手にはマ-スの体を拭ったタオルが握られている。
(嫌われちゃう、だろうなあ)
苦笑いすると、すぐにまた視界が滲んだ。
それでなくとも、芽理はマ-スにいい印象をもたれていない。誤解して勘違いして、酷い状況に耐えているマ-スをののしりさえした。それでも、マ-スは芽理に体を委せてくれた。なのに、これから芽理が水尾に頼もうとすることは、その好意を利用するようなことでしかなくて。
(ひどいことするもんね)
タオルをそっと汚れた部分に触れないように内側に小さく畳み込み、ぎゅ、と唇を引き締めて顔を上げた。
「ふ…ぅ」
そのとたん、ぼろぼろと吹き零れた涙を慌てて拭う。
(マ-ス…)
拭った手にはマ-スの体を拭ったタオルが握られている。
(嫌われちゃう、だろうなあ)
苦笑いすると、すぐにまた視界が滲んだ。
それでなくとも、芽理はマ-スにいい印象をもたれていない。誤解して勘違いして、酷い状況に耐えているマ-スをののしりさえした。それでも、マ-スは芽理に体を委せてくれた。なのに、これから芽理が水尾に頼もうとすることは、その好意を利用するようなことでしかなくて。
(ひどいことするもんね)
タオルをそっと汚れた部分に触れないように内側に小さく畳み込み、ぎゅ、と唇を引き締めて顔を上げた。
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登録日 2016.11.16 23:42
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