Web小説は生もの、改題・改稿について

 Web小説の良いところは、いつでも作品に手を入れられるって事なんじゃないかと思ってます。

 井伏鱒二氏の有名な短編小説の「山椒魚」なんかは、井伏鱒二氏が自作品に大胆に行った結末の削除が、『そもそも、すでに広く読まれ評価の確定した「作品」は、いったい誰のものか?作者のものか、読者のものか?』という根源的な問題にまで波及しました。
 そういった問題からWeb小説は、かなり自由な位置にあるのではないかという事ですね。

 アンは流通経済の中での「小説」を「商品」だと捉えると、販売価格を設定して書籍(電子書籍も含む)化された時点で、その小説の中身は「読者のもの」と考えるべきだと思ってます。
 伝説の情報番組のテレビ司会者だった久米宏氏は当時、アシスタントの女性アナに「視聴者の中には画面に映った君を性的関心で見ている人もいる。そういった覚悟もしておきなさい。」と言ったそうですが、それを思い出します。

 では書籍化されない、まだ商品化されないWeb小説の場合は、どうなんでしょう?
 ある日ある時、作者が自分が既に完成させた作品について、ある新しい素敵なアイデアを思いついた。
 これが印刷物だったら、自費出版であろうが、無料配布のようなものであろうが、それを書き直すのは相当な精神面と物理面での高いハードルがあるでしょうね。
 これがWeb小説の場合は簡単にできる。

 いや「簡単にできる」という捉えではなく、それが命なんじゃないかと思ってます。
 時代と共にリアルタイムで育っていく小説という側面ですね。
 でも、いつ刈り取られて、干し物にされても「美味しい干し物」になるよう、常に高いレベルの完成度である事を目指さないといけないですけれど(笑)。

 って事で、長々と駄文を書いてしまいました。
 要するに、アンの書いてる作品は、その内容もタイトルも、ちょこちょこ勝手に変わってますよ~って事です。
 ヨロシクね。

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登録日 2018.06.27 08:07

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