『ラズーン』第四部 6.魔物(パルーク)(7) (個人サイトでアップ)
今や、制御する主を失った魔物(パルーク)は狂乱し、本能の赴くままにアシャ達を追い求めて疾り出していた。一番しんがりを務めるアシャが、時間稼ぎにと幾筋かの光のように見える小剣を投げる。だが、それは鱗に弾かれ、毛の間に呑み込まれてほとんど効果がない。むしろ、魔物(パルーク)の狂気の火に油を注いだ状態、黒い瞳が憎しみを宿して滾るように燃えている。壁さえも打ち壊そうとするように、全身で出口へ突進してくるのを間一髪、出口を飛び出して避けたアシャが舌打ちして叫んだ。
「下へ逃げろ! こいつは壊すことしか思いつかんようだ!」
「壊すことしか思いつかん、だとさ!」
ギャティがリヒャルテイを抱えて必死に階段を駆け下りながら叫ぶ。
「さすがアシャだよな!」
転がる屍体を飛び越えたバルカが叫び返す。
「言うことにも余裕があるってもんだ!」
「下へ逃げろ! こいつは壊すことしか思いつかんようだ!」
「壊すことしか思いつかん、だとさ!」
ギャティがリヒャルテイを抱えて必死に階段を駆け下りながら叫ぶ。
「さすがアシャだよな!」
転がる屍体を飛び越えたバルカが叫び返す。
「言うことにも余裕があるってもんだ!」
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登録日 2018.06.27 07:38
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