『ラズーン』第四部 1.カザドの胎動(5) (個人サイトにてアップ)
寝床から離れた男は、裸の肩から緑地に朱と紫の鳥を散らした部屋着を羽織った。黒く光る金属で出来た椅子に腰掛け、目の前の小テーブルに載っている、華奢な水晶細工のグラスを見つめる。キャサランに特注して造らせた逸品、そのグラスの底には、薄紅の液体がほんの少し、血が滲んだような色を見せて残っている。
駆けつけて来た足音が部屋の前に立ち止まり、しばらくためらうのを、男は野太い、嗄れた声で促した。
「入れ、デム・ルソン」
「は、はい…」
駆けつけて来た足音が部屋の前に立ち止まり、しばらくためらうのを、男は野太い、嗄れた声で促した。
「入れ、デム・ルソン」
「は、はい…」
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登録日 2018.04.28 19:16
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