segakiyui

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『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『闇を闇から』第3章 11.刑罰(4) 『闇を見る眼』第3章 50 追加。

 とにかく、様子を見てみよう。
 体調が悪そうだったりしたら、それとなく顔色が悪いですよ、とかそんな感じで伝えられたら。
 そう考えて、美並はそれから時々そのコンビニに通うようになった。
「こんにちは」
「こんにちは。今日はサンドイッチ?」
「と、新刊」
「ああ」
 相手が笑いながらマンガとサンドとカフェラテを取り上げていくのに微笑み返しながら、そっと腹のあたりを盗み見る。時々薄赤い感じでゆらゆらしている靄は次第に濃く黒みがかっていくみたいに思える。もしものときを考えて、レジのたびに挨拶したり会話をしたりして、何か言えるような雰囲気も作ってみたが、いつ言い出せばいいのかわからない。
 それにどう言い出せばいいのかも。
 あなたのお腹のあたりに曇りがあるんですよ。
 君、霊能者か何か、と苦笑されそうだ。
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登録日 2018.04.18 07:49

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