『銀幕紙芝居』 『猫たちの時間』6 6.綾(1)
たとえば、この世の中なんていうものは、結局は産まれてから死ぬまでのほんの一瞬を、誰かの手に操られながらもがくしかない一つの舞台で、そこにいる俺達は台本通りのさえない演技しかやれない役者なのかも知れない。映画のスクリーンに映っている人間がその通りに人生を生きることがないように、そして、その物語が、言ってみれば全て虚像ででっちあげの一種でしかないように、この世の中なんてのも、どこまでいっても虚ろさしか返ってこないのかも知れない。
「志郎」
ぼんやりソファで考え込んでいた俺に、お由宇が夕刊を放ってよこした。
「?」
「第一面よ」
表向けると、そこにでかでかと『タジック社、内部分裂?』の白ヌキ見出しがあった。ぎくりとして小見出しを見ると『新社長は英京悟氏』とある。
「志郎」
ぼんやりソファで考え込んでいた俺に、お由宇が夕刊を放ってよこした。
「?」
「第一面よ」
表向けると、そこにでかでかと『タジック社、内部分裂?』の白ヌキ見出しがあった。ぎくりとして小見出しを見ると『新社長は英京悟氏』とある。
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登録日 2018.02.26 14:43
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