『ラズーン』第三部 9.刺客(2) (個人サイトでアップ)。
「それでね、その『西の姫君』が、アシャの噂を聞いて、私なら大丈夫と言って、アシャを呼ばれたの」
くすっと彼女は悪戯っぽく笑った。
「だけど、アシャときたらね、『あなたほどの高名な女性は、私のような若輩にはもったいなく存じます。また、ジーフォ公が誤解されても、あなたの名前に傷がつくことでしょう。私は、やはり『氷の双宮』で魔物(パルーク)の攻略でも考えているのが似合いでしょう』って返事をしたのよ。ジュニーの花を添えて」
「そりゃ…」
ユーノは目をぱちくりさせた。
(要するに、あなたの相手より魔物(パルーク)の方がまだましってことか)
おまけにジュニーの花だ。
ジュニーは、その花弁から紫の染料を取る濃紫の花だ。実をつけず、根からの株分かれで増えていく花で、それを考えると『実らぬ恋』という答えのだめ押しになる。
「きついな……怒っただろうね、相手」
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登録日 2018.02.16 10:59
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