『銀幕紙芝居』 『猫たちの時間』6 1.夢(1)
そこは妙にふわふわとしたミルク色の空間だった。
靄がかった色合いの中で、誰か小柄な人影があちらに迷いこちらに迷いを繰り返している。うすぼんやりした角の向こうを覗きかけては気まずい表情で顔を背け、煙る道を行きかけてはためらって立ち止まってしまう。
どうやら彼が居る所は迷路になっているらしい。こちらからははっきり見える姿なのだが、彼からは、このもやもやとした霧に隠され滲む視界に、なかなか進むべき道を見つけられないようだった。
(おい、こっちだ)
俺はついに声をかけた。
『猫たちの時間』『京都舞扇』『月下魔術師』『古城物語』『周一郎舞台裏』に続くシリーズ6話目(短編集『人間たちの夜』メルマガ連載中。7話目は『遺産相続人』メルマガ連載中)
靄がかった色合いの中で、誰か小柄な人影があちらに迷いこちらに迷いを繰り返している。うすぼんやりした角の向こうを覗きかけては気まずい表情で顔を背け、煙る道を行きかけてはためらって立ち止まってしまう。
どうやら彼が居る所は迷路になっているらしい。こちらからははっきり見える姿なのだが、彼からは、このもやもやとした霧に隠され滲む視界に、なかなか進むべき道を見つけられないようだった。
(おい、こっちだ)
俺はついに声をかけた。
『猫たちの時間』『京都舞扇』『月下魔術師』『古城物語』『周一郎舞台裏』に続くシリーズ6話目(短編集『人間たちの夜』メルマガ連載中。7話目は『遺産相続人』メルマガ連載中)
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登録日 2018.02.14 13:59
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