segakiyui

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『ラズーン』『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』連載中。メルマガ『ショートストーリーシリーズ』『指令T.A.K.I』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『ラズーン』第三部 6.失われた記憶(1)(個人サイトでアップ)。

(あなた、誰……か)
 アシャは重い憂いを浮かべて、草の上に腰を降ろしている。憂えた表情がどれほど整った顔立ちに悩ましさを与えているか、それがどれほど女性の心を魅きつけるか、そんなことはよくわかっていることだが、今の彼には全て瑣末時、興味も湧かない。髪留めから一筋二筋ほつれ落ちた髪をうっとうしくかきあげる。光が跳ねて瞳の奥に眩い煌めきが差し込む、僅かに目を細めて溜め息をつく。
(誰に抱かれてるつもりだったんだろうな)
 あの瞬間は、さすがにアシャ自身だろうと思い込んでいたのだが。
(俺じゃ、なかった)
 では誰だ。
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登録日 2017.12.28 11:52

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