『古城物語』 4.天使死す アップ。
バランスの取れた十分な朝食がすむと、俺は玲奈に誘われ、城の上に上がった。
周一郎は部屋で仕事があると言って来ていない。
「……と…」
吹きつけた風にジャンパーの裾がはためく。この旅行のためにわざわざ買った代物だ。
敏人が殺され、犯人が見つからないままに三日。
俺と周一郎は捜査上の足止めというやつを食らっていた。遺体は司法解剖に回され、後頭部から数回の殴打による頭蓋陥没によって絶命したことがわかった。凶器は遺体近くに転がっていた青銅製のローレライの置物で、指紋は出ていない。
犯人として怪しいのは俺と朋子が見た黒づくめの奴だが、アリバイがないという点では、城に居た誰もがほとんど同じ、ただ俺と朋子は何とかお互いにアリバイを証明できそうだ。
もっとも、どうしてあの時、俺が朋子の部屋に居て、加えて彼女にしがみつかれていたのかについては有り難迷惑な誤解があったみたいだが。
「…なさいね」
「え?」
周一郎は部屋で仕事があると言って来ていない。
「……と…」
吹きつけた風にジャンパーの裾がはためく。この旅行のためにわざわざ買った代物だ。
敏人が殺され、犯人が見つからないままに三日。
俺と周一郎は捜査上の足止めというやつを食らっていた。遺体は司法解剖に回され、後頭部から数回の殴打による頭蓋陥没によって絶命したことがわかった。凶器は遺体近くに転がっていた青銅製のローレライの置物で、指紋は出ていない。
犯人として怪しいのは俺と朋子が見た黒づくめの奴だが、アリバイがないという点では、城に居た誰もがほとんど同じ、ただ俺と朋子は何とかお互いにアリバイを証明できそうだ。
もっとも、どうしてあの時、俺が朋子の部屋に居て、加えて彼女にしがみつかれていたのかについては有り難迷惑な誤解があったみたいだが。
「…なさいね」
「え?」
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登録日 2016.10.24 00:38
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