『ラズーン』第三部 5.『風の乙女(ベルセド)』(1) アップ。
「いや、だって、俺、まさか、あれほどの遣い手が女? いや、そんなだって、あり得ねえ…っ」
うろたえて口ごもり、それでも思い出したのは細身の体や高めの声、ふとした拍子に妙に柔らかく見える仕草や表情にどきりとしてしまった自分の感情、みるみるほてってくる顔が何を意味するのかは、男ならわかること、それでもまだ、ユーノが女であって嬉しかったと口にするにはためらいがある。
「行くぞ!」
「あ、はいっ!」
気がつけば、アシャは既に先に馬を走らせている。シートスが隊を離れるのに同意してくれて、ほっとしながら素早く頷き返して、アシャの後を追う。
「は、あっ!!」
(ち、くしょうっっ…!)
平原竜(タロ)の掛け声とともに、胸の中で爆発した、不思議に甘い罵倒の種類を思いつくまもなく、あっという間に距離をあけて自分を置き去りにしそうなアシャを、ユカルは必死に追いかけた。
うろたえて口ごもり、それでも思い出したのは細身の体や高めの声、ふとした拍子に妙に柔らかく見える仕草や表情にどきりとしてしまった自分の感情、みるみるほてってくる顔が何を意味するのかは、男ならわかること、それでもまだ、ユーノが女であって嬉しかったと口にするにはためらいがある。
「行くぞ!」
「あ、はいっ!」
気がつけば、アシャは既に先に馬を走らせている。シートスが隊を離れるのに同意してくれて、ほっとしながら素早く頷き返して、アシャの後を追う。
「は、あっ!!」
(ち、くしょうっっ…!)
平原竜(タロ)の掛け声とともに、胸の中で爆発した、不思議に甘い罵倒の種類を思いつくまもなく、あっという間に距離をあけて自分を置き去りにしそうなアシャを、ユカルは必死に追いかけた。
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登録日 2017.12.17 10:15
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