『ラズーン』第三部 2.野戦部隊(シーガリオン)(2) アップ。
淡い苦笑がシートスの日焼けした顔に滲んだ。
「その頃の俺の目ときたら、ひどく曇っててな。『黒の流れ(デーヤ)』の反乱鎮圧のためにラズーンから来る総隊長と聞いて、どれほどの男が出てくるかと思っていたが、あのようにきらびやかな容貌の持ち主が来たと知って、ずいぶんと荒れたものだ」
ぱちっ、と湿り気を帯び出した夜気に炎の中の木の枝が弾け、火の粉が舞い上がった。ユーノはもちろん、シートスの話を聞くように火の回りに集まり出した男達も、思い思いの格好で、ある者は酒杯を空け、ある者はとかげの串を手にしている。
「アシャ・ラズーン、が何者かさえ知らずにな……」
懐かしそうな声が続いた。
「その頃の俺の目ときたら、ひどく曇っててな。『黒の流れ(デーヤ)』の反乱鎮圧のためにラズーンから来る総隊長と聞いて、どれほどの男が出てくるかと思っていたが、あのようにきらびやかな容貌の持ち主が来たと知って、ずいぶんと荒れたものだ」
ぱちっ、と湿り気を帯び出した夜気に炎の中の木の枝が弾け、火の粉が舞い上がった。ユーノはもちろん、シートスの話を聞くように火の回りに集まり出した男達も、思い思いの格好で、ある者は酒杯を空け、ある者はとかげの串を手にしている。
「アシャ・ラズーン、が何者かさえ知らずにな……」
懐かしそうな声が続いた。
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登録日 2017.11.20 13:58
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