藤坊蟇

藤坊蟇

ふじまちガマです。ストーリー重視の、ちょっと風変わりなBLを書きます。よろしくお願いします。

俺が書くBLは何故ウケない?! ①

『患者たちの恋人』について

 この作品、実はあまりにウケなくて書き直したものです。
 結局、書き直しても読者数に変動は見られませんでしたが、書き途中で公開→読者のリアクションを見る、それから、友人にも読んでもらうなどして、何故ウケないのかを分析、そして、半ばその事実を受け入れながら、最後まで書き遂げるに至りました。
 「自分の作品はBL小説ではなく、BL要素を含む小説なのだ」と結論することで。

 3点に分けて少し見ていきましょう。
一、BL関係にある二人が中盤まで直には出会わない
 これに関しては書き直す前が特に顕著で、反省もしていたために、書き直すにあたり、主人公の見る幻覚や回想によって、パートナーとなるキャラクターを登場させる形をとるように改善しました。しかし、『どうしてそのようなまどろっこしい構成をとるのか』が読者に伝わらず、そこで脱落してしまうのですね。
 この時点で既に、書き手と読み手との間に開きがあります。
 書き手の僕としては、幻覚や、現実と地続きの回想によって主人公がパートナーを思うこと自体が読み物として面白いのですが、多くの読み手にとってはそうではないようなのです。

 それは次の二にも表れていて、
二、中盤まで、或いは、コンパクトな性描写を除けば全編に渡って、BL的な娯楽性が見出せない
 少なくとも書き手の僕が読めば、中盤以降はBL関係にある二人の心情が揺れ動いて止まらない話であり、紛れもなく恋情や恋慕を伴う激情が下地にあるのですが、これも恐らくは多くの読者にとって、BL的文脈の外にある要素であって、娯楽とは映らなかったのでしょう。

 そうして、
三、分かりやすい人間関係(人によっては『萌え』)ではない
 ここではっきりすることがあります。
 書き手である僕がこの話で描きたかったのは、依存や支配、束縛、呪いといった関係の形であり、そこに萌えはありませんでした。
 しかし、萌えがないとしても、人はそうした特殊な関係性にフェチズムを抱き得る、だから広義にはBL小説と言えるはずだ、そう思っていたのです。
 けれども、BLと分類した上で成人向けに作品を指定するということ自体、エロ本として差し出されるも同然と捉える人が多そうだな。その上では、理解しなければならないストーリーの存在なんて却って邪魔なのだろうな、と、ようやっと気が付いたのです。
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登録日 2025.02.23 14:02

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