『BLUE RAIN』番外編MIDNIGHT LADY(一部非公開)アップ。
「女装?」
「そうだ」
俺はファレルをじっと見つめた。
「誰が」
「まあ、お前かスープのどっちかが」
「真面目に話せよ」
「真面目に話してる」
「何で張り込みなのに、女装なんだ?」
「仕方ねえだろ、そこがホテルで、ゲイお断りだから」
「他の奴らは?」
「出払ってる」
もう一度ファレルを見つめる。
「大晦日だぞ?」
「だな」
「何が悲しくて、そんなとこで」
「いいだろ、別に」
ファレルが妙な笑みを浮かべる。
「年末も正月も一緒にいられて、おまけにベッドまであるぞ?」
「殴るぞ?」
「やめろ」
俺は深く大きな溜息をついた。確かにここのところ、売春婦をターゲットにした強盗がうろついていて、しかもそれがホテルとつるんでるという噂はある。そのホテルが絞り込まれてて、そろそろ上げられそうだというのも知っている。
だからな、とファレルは言った。
「お前かスープのどっちかが『MIDNIGHT LADY』のふりをして、客をひっかけて、そこへ入り込むわけだ。常連は襲わないがお初は狙われるらしいからな」
うんざりした俺に、側にいたスープが淡々と同意する。
「いいですよ」
「スープ」
「俺が女装しましょう」
「いいのか?」
「あなたがしたいんですか?」
「げ」
「どうしてもというなら譲りますが」
「……頼む」
「はい」
「そうだ」
俺はファレルをじっと見つめた。
「誰が」
「まあ、お前かスープのどっちかが」
「真面目に話せよ」
「真面目に話してる」
「何で張り込みなのに、女装なんだ?」
「仕方ねえだろ、そこがホテルで、ゲイお断りだから」
「他の奴らは?」
「出払ってる」
もう一度ファレルを見つめる。
「大晦日だぞ?」
「だな」
「何が悲しくて、そんなとこで」
「いいだろ、別に」
ファレルが妙な笑みを浮かべる。
「年末も正月も一緒にいられて、おまけにベッドまであるぞ?」
「殴るぞ?」
「やめろ」
俺は深く大きな溜息をついた。確かにここのところ、売春婦をターゲットにした強盗がうろついていて、しかもそれがホテルとつるんでるという噂はある。そのホテルが絞り込まれてて、そろそろ上げられそうだというのも知っている。
だからな、とファレルは言った。
「お前かスープのどっちかが『MIDNIGHT LADY』のふりをして、客をひっかけて、そこへ入り込むわけだ。常連は襲わないがお初は狙われるらしいからな」
うんざりした俺に、側にいたスープが淡々と同意する。
「いいですよ」
「スープ」
「俺が女装しましょう」
「いいのか?」
「あなたがしたいんですか?」
「げ」
「どうしてもというなら譲りますが」
「……頼む」
「はい」
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登録日 2016.10.15 22:49
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